朝起きて、顔を洗って、スーツを着て。
ここまでは何とか行けるけれど、駅に向かう足がどうしても重い。
会社がしんどい。できることなら行きたくない。
それでも、いきなり辞める勇気も現実的なプランもない。
「自分が弱いだけなのかな」
「甘えているだけかもしれない」




そうやって自分を責めながら、とりあえず今日も会社に向かう。
私も同じような時期がありました。
本当は、しんどさには限界ラインがあります。
体とメンタル、お金、キャリア。
この三つの軸がどこまで耐えられるのかを見ないまま、根性だけで踏ん張り続けるのは、長い目で見るとかなり危ないやり方です。この記事では、会社がしんどい、行きたくない、でも辞められないときに、
- 今の会社に残りながら逃げ道をつくる
- 在職のまま、静かに転職活動を進める
- 一度立ち止まって、体と心を守る
という三つの選択肢を、限界になる前に自分を守るための選び方として整理していきます。
あわせて、お金と体とメンタルとキャリアの軸から「ここから先は無理」という自分なりの基準を決めて、今日からできる小さな一歩に落とし込むところまでまとめました。
「先に3つの選択肢を知りたい」という方は下のどれかから読み進めてみてください。




一気に全部読まなくても大丈夫です。今の自分の状態に近いところから、つまみ読みしてもらえたらうれしいです。
会社がしんどいと感じる根本的な原因はこの3つ



会社がしんどくなる理由って、表面だけ見ると「上司がきついから」「残業が多いから」みたいな話になりがちです。ただ、私が自分の経験や周りの話を振り返ると、その裏側にはだいたい共通した根本的な原因があります。
自分なりに整理すると、会社がしんどいの根本的な原因はこの3つです。
- 体と生活リズムが崩れている
- コントロールできないものをコントロールしようとしている
- 働き方や生き方の選択肢が一つしかないと思い込んでいる




順番に軽く触れていきます。
① 体と生活リズムが崩れている
- 残業続きで寝不足
- 運動ゼロ
- 食事はコンビニとカップ麺でなんとなく済ませる
この状態だと、正直どんな仕事でも「全部イヤ」に感じてきます。私も、睡眠と運動を見直しただけで
「会社や労働時間そのものは何も変わっていないのに、しんどさが2〜3割マシになった」
みたいな事が実際にありました。
環境の問題と、自分のコンディションの問題がごちゃ混ぜになると、
- 何でもかんでも「全部会社のせい」にしたくなったり
- 逆に「全部自分がダメなんだ」と潰れそうになったり
極端な方に振れがちです。まずは、
「これは会社の環境の問題なのか?」
「自分のコンディションの問題もあるのか?」
この2つを頭の中で切り分けておくだけでも、見え方は変わってきます。




筆者が規則正しい生活を実践した結果はコチラ↓
② コントロールできないものをコントロールしようとしている
- 会社からの評価
- 他人の比べた時の自分の現在地
こういう「自分では直接コントロールできないもの」に、気持ちと時間を全振りしてしまうと、常に不安と不満でいっぱいになります。私も、実際にこのようなことばかり考えていた過去があります。
「上司にどう思われているのか…」
「あの人より自分は評価されているんだろうか…」
「次の会議で何か言われたらどうしよう…」




このような思考にとらわれている時は、家に帰ってからも頭の中がずっと会社モードのままでした。
逆に、このような部分にフォーカスを切り替えました。
- 自分の生活リズム
- 仕事の準備や工夫
- 積み上げるスキル
- 副業や、会社の外側の軸
こういった 「自分の手が届くところ」 に意識を戻していくと、少しずつ「自分の人生を握っている感覚」が増えてきます。
③ 働き方や生き方の選択肢が一つしかないと思い込んでいる
働き方や生き方の選択肢が、一つしかないと思い込んでいるケースも多いです。
たとえば、
- 今の会社で定年まで働いて退職金をもらう
- ここを追い出されたらもう行き場がない
こんな前提がガチガチに固まっていると、どれだけしんどくても、結局は
「でも、ここでやっていくしかないか…」
という結論にしかならなくなります。
選択肢が一つしかないと、その一つが少し揺れただけで、人生ごとグラグラ揺れてしまいます。
まさに、会社に人生の主導権を握られてしまっている状態です。
実際には、
- 今の会社に残りながら働き方だけ変える
- 転職して環境を変える
- 職業訓練や学び直しで、一度立て直してから動く
- 副業などで収入の柱を増やしておく
など、グラデーションはいろいろあります。
「選択肢がない」のではなく、選択肢が見えていないだけ というパターンもかなり多いです。




ここをほぐしていくと、会社に感じているしんどさも少し違って見えてきます。
会社がしんどいときに陥りがちな4つのパターン



ここからは、今のしんどさをもう少し具体的な場面に落としていきます。
私や周りの話を見ていても、会社がしんどいと感じるときの状態は、だいたい次の4つに分かれることが多いです。
- 職場の人間関係(上司・先輩・同僚)で消耗している
- 長時間労働や休めない働き方で心身がすり減っている
- 暇・ぬるま湯ポジションで「何も身についていない」感覚に追われている
- 結局定年まで社畜だと思うとメンタルが落ちる
「自分の今のしんどさは、どのあたりが一番近いか?」




ざっくり確認するイメージで読んでもらえたらと思います。
① 職場の人間関係(上司・先輩・同僚)で消耗している
- 指示がコロコロ変わる上司に振り回される
- 機嫌ひとつで態度が変わる先輩がいて、常に空気を読んでいる
- 一部の人の悪口や陰口が職場の標準語みたいになっている
- 誰かの顔色をうかがっていないと、場に居づらい
仕事の内容そのものはそこまで嫌いじゃなくても、人間関係のストレスだけで「もう行きたくない」と感じる職場ってあります。きつい上司に毎日詰められたり、職場のボス的な人に気に入られないと何をしても評価されなかったり。
こういう状態が続くと、
- 仕事のミスより「怒られないかどうか」の方が気になる
- 家に帰っても、頭の中がずっと職場の人のことでいっぱい
- 休みの日まで、次の出社日のことを考えて胃が重くなる
みたいに、心の余白がどんどんなくなっていきます。




上司との関係については、別の記事でかなり具体的に書いています。
理不尽な上司にどう距離を取っていったか、一次体験ベースで気になる人は読んでみてください。
→ 上司との関係で消耗している人向けの記事はこちら




また、お局との関係や悪口が多い職場で悩んでいる人には、それぞれ具体的に書いた記事もあります。
→ お局・悪口だらけの環境に悩んでいる人向けの記事はこちら
② 長時間労働や休めない働き方で心身がすり減っている
- 平日は毎日、帰宅が深夜か日付が変わる頃
- 家に帰っても「風呂入って寝る」で一日が終わる
- 土日は疲れを取るだけで消えてしまい、やりたいことに回す余力がない
- 朝の時点で「今日もまた同じか」とため息が出る
仕事そのものが面白いかどうか以前に、単純に時間と体力がもたない働き方があります。
私も、月曜の朝から「もう金曜の夜のことを考えている」みたいな時期がありました。
何をしていても、頭の片隅にずっと仕事が居座っている感じです。
この状態が続くと、
- 判断力や集中力が落ちてミスが増える
- ミスが増えることで、さらに残業や詰められる時間が増える
- 家に帰っても回復しきれず、だんだん何も感じなくなってくる
という悪循環にハマりがちです。




「平日ずっと仕事に持っていかれている感覚」や、週5でぎっちり詰まった働き方にしんどさを感じている人向けには、別の記事で、当時どうやって乗り切っていたかを書いています。
③ 暇・ぬるま湯ポジションで「何も身についていない」感覚に追われている
忙しすぎるのもしんどいですが、暇なのに会社に拘束されている状態もしんどさのベクトルが違うだけで、かなりきついです。
- 仕事中、暇すぎて逆にキツイ
- 周りは忙しそうなのに、自分だけ暇で気まずい
- ホワイト企業で仕事は楽だけど、成長している実感がない
こういう状態って、表向きは楽に見えるのに、内側では
- 何も身についていない焦り
- このままぬるま湯から抜け出せなくなる怖さ
がじわじわ積もっていきます。
私自身も、「仕事は楽だけど、このまま数年たったときに何が残るんだろう…」
と感じていた時期がありました。
一日の大半を会社で過ごしているのに、自分の中身はあまり変わっていない感覚です。




そういうときは、いつもこんな感じのことを考えていました。
「人生の大部分を過ごす仕事がこれでいいのだろうか」
「贅沢な悩みなのはわかっているけど、もっとやりがいが欲しい」
私は元々はブラック企業でしか働いたことがなく、「ホワイト企業に入りたい」とずっと考えていたので、いざ実際にホワイトな環境に身を置くと、また別の悩みが出てくるもんだと痛感したのです。




同じような状況については、個別の記事でも掘り下げています。
⇨周りは忙しいのに自分だけ暇なときの気まずさと向き合い方は コチラ
→仕事中暇すぎて気が狂いそうなときにどう時間を潰していたかはコチラ
⇨ブラック企業からホワイト大企業に入ってぬるま湯だった体験談はコチラ
④結局定年まで社畜だと思うとメンタルが落ちる
- この会社にしがみつくしかないと思っている
- 体調が悪くても、上司の顔色を伺って有給申請できない
- 何か決めるたびに「会社が」「上司が」「世間が」と他人軸になる
- 気づけば、人生のほとんどを会社ベースで考えてしまっている
こういう状態が続くと、ふとした瞬間に
「ああ、自分はこのまま定年まで社畜コースなんだろうな」
というイメージが頭に浮かんで、メンタルが一気に落ちます。
仕事の内容がどうこうというより、生き方そのものを会社に握られている感覚がしんどいところです。
私自身、「サラリーマンは我慢してナンボ」「会社に合わせるのが当たり前」という価値観にがっつり縛られていた時期がありました。誰かに「嫌なら辞めれば?」と言われても、
「そんな簡単に辞められるわけないだろ」
と心の中で即反論して、また同じ電車に乗る…そんな感じでした。
このパターンのやっかいなところは、
- 環境の問題(会社側の問題)
- 思い込みや価値観の問題(自分の中の前提)
が、ごちゃっと絡まっているところです。
会社の働かせ方がおかしい部分もあるし、一方で「正社員はこうあるべき」「家族のためには耐えるしかない」と自分で自分を縛っている部分もある。その両方が重なって、抜け道が見えなくなっているイメージです。




このあたりの感覚については、別の記事でかなり深めに書いています。
⇨サラリーマン奴隷みたいな感覚からどう抜けていったかは コチラ
→「この会社にいても何も残らない」と感じていた頃に考えていたことはコチラ
⇨レールから外れた人生でもがいた体験談はコチラ
いきなり退職届を叩きつける前に整理したい「3つの軸」



会社がしんどいとき、感情的には「もういい加減ムリだ。明日そのまま辞めてやろうか」という方向に振れやすいです。




気持ちはめちゃくちゃわかります。
正直、私もトイレの個室でスマホ片手に退職代行サービスを検索したことがあります。
ただ、勢いだけで辞めてしまうと「会社は辞められたけど、その後の生活が前よりキツイ」みたいな状況にハマるリスクもあります。そこで、一度立ち止まって整理しておきたいのが、この3つの軸です。
- お金の軸
- 体とメンタルの軸
- キャリアの軸




順番にざっくり見ていきます。
①お金の軸 – 生活が回る最低ラインはいくらか
「今の手取りが○万円 → だから辞められない」
ここで思考停止してしまうと、いつまでたっても動けません。一度冷静に、毎月いくら必要なのかを具体的に出してみるのがおすすめです。




以下のような形で箇条書きで具体化してみましょう。
- 家賃(または住宅ローン)
- 光熱費・通信費
- 食費
- 子ども関連の固定費
- 最低限の保険・サブスク など
紙でもスマホメモでもいいので、ざっと書き出してみると、自分のお金の状態がだいたいどのパターンか見えてきます。




たとえば、こんなイメージです。
- 毎月の収支がすでに赤字で、ボーナスや貯金で穴埋めしている
→ かなり危ない状態なので、まずは固定費の見直しが最優先 - なんとか黒字だけれど、少し想定外の出費があるとすぐ赤字になる
→ 収入を下げる前に、生活防衛資金やクッションを作る方が先 - 毎月数万円は余裕があって、生活レベルを少し落とせば手取りが多少減っても回せそう
→ 働き方や転職の条件にもう少し自由度を持たせられる
自分がどのゾーンにいるかを把握しておくと、
- 転職するときに「年収いくらまでなら現実的に受けられるか」
- 一時的に収入が落ちる選択(時短勤務や職業訓練など)をどこまで許容できるか
が、感情ではなく数字ベースで判断しやすくなります。完璧な家計管理まではいかなくていいので、
「今の生活がどれくらいの収入にぶら下がっているのか」
「どこまでなら下げても耐えられるのか」




この二つがざっくりでも分かっていると、働き方の選択肢はかなり変わってきます。
②体とメンタルの軸 – どこまでが“踏ん張りゾーン”で、どこからが“アウト”か
次に考えたいのが、体と心の状態です。
- 毎日眠れない
- 食欲がほとんどない
- 朝、起きた瞬間から動悸がする
- 通勤中に「このまま消えたい」と本気で思う
ここまで来ているなら、正直 「お金より先に、命の方が大事」 です。
私自身も一時期、駅に向かう足がやたら重く感じて、ホームに立って電車を待ちながら「このままどこか遠くに行ってしまいたい」とぼんやり考えていたことがあります。会社の最寄り駅が近づくにつれてお腹が痛くなったり、ビルが見えてくると気持ちがスーッと冷えていく感じ。
「休んだ方がいいのは分かっているけど、休む決断をする気力も残っていない」
そんな状態だったのかもしれません。ここまで来てしまっているなら、もう「普通に頑張る範囲」とは言いづらいラインです。このときに、
「もう少し頑張れば何とかなるかも」
「せめてボーナスまでは我慢しよう」
と自分を説得し続けると、気づかないうちに体とメンタルを削ってしまいます。




このゾーンに入っていると感じたら、「もう少し頑張る」よりも、一度立ち止まることを優先していいと私は思っています。
逆に、
- 眠れてはいる
- 食欲もそこそこ
- 休みの日に笑える時間がまだある
このレベルなら、
「今すぐ逃げないと危ない」ではなく、“逃げ道を用意しながら、少しずつシフトしていく”
という選択肢も取れます。




自分だけで判断しづらい場合は、心療内科や産業医に相談して、第三者の目線で状態を評価してもらうのも大事な一手です。
③キャリアの軸 – この会社でこれ以上学べることはあるか
最後はキャリアの軸です。
以下の点について、自分に問いかけてみます。
- 今の仕事で、身についているスキルは何か
- このまま3年、5年続けたとき、自分には何が残っているか
- 別の会社・業界に移ったときにも通用する経験なのか
ここを考えてみると、
- 「しんどいけど、もう少しだけ頑張って“経験”として回収してから辞める」
- 「今の業務内容はどう考えても未来につながらないから、早めに動いた方がいい」
というような判断がしやすくなります。
たとえば、
- 成長性のある分野で、しんどいけどスキルはちゃんと積み重なっている
- 逆に、暇・ぬるま湯ポジションで何も身につかず、将来の武器にならなさそう




この2つでは、「しんどさ」の意味合いが違いますよね。
キャリアの軸は、「この会社にしがみつく理由が、本当に“キャリアのため”なのか、ただ“怖いから”なのか」を見分けるための軸でもあります。
3つの軸を紙に書き出して「今の立ち位置」を見える化しておく
お金・体とメンタル・キャリアの3つの軸は、頭の中で考えているだけだと「なんとなく不安」で終わってしまいます。
ざっくりでいいので、
- 毎月これくらいあれば生活が回る
- 今の体とメンタルの状態(まだ踏ん張れるのか、正直きついのか)
- この会社で、これ以上学べそうなことがどれくらい残っているか
を紙やメモに書き出しておくと、「どこが一番限界に近いのか」が見えやすくなります。
この3つの軸を一度ざっくりでも整理しておくだけでも、そのあと選べる働き方の幅はかなり変わってきます。
会社がしんどいときに取れる3つの現実的な選択肢



ここまでで、以下の3点について整理してきました。
- 「なぜしんどいのか」という根本的な原因
- 実際にどんな形で表に出ているのか(4つのパターン)
- お金・体とメンタル・キャリアの3つの軸
ここからは、それらを踏まえたうえで、会社がしんどいときに取りうる現実的な選択肢を3つにまとめていきます。
- 今の職場に残りながら「逃げ道」をつくる
- 静かに転職活動を始めておく
- 一度立ち止まって体と心を守る




順番にみていきましょう。
選択肢①今の職場に残りながら「逃げ道」をつくる
いきなり会社を辞めなくても、
「今の会社に在籍したまま、外側に逃げ道を増やしておく」
という選択肢もあります。
- 暇・ぬるま湯ポジションなら、その時間を“仕込み時間”に変える
- 朝活や副業で「会社の外側」に自分の軸をつくる
- 学び直し・リスキリングを、将来のカードとして準備しておく
こういった動きができると、
「いつでも別ルートに逃げられる」
という感覚が少しずつ育ってきます。
暇・ぬるま湯ポジションを「将来の投資時間」に変える
暇・ぬるま湯ポジションは、表向きはかなり楽に見えます。
残業も少ないし、きついクレーム対応があるわけでもない。
一日をなんとなく流しているだけでも、とりあえずは回ってしまいます。
それでも、この状況がしんどいのは、
- 今日も大して何もしていないのに一日が終わる
- それなのに帰る頃には、変な疲れだけ残っている
- このまま数年たっても、自分の中身はあまり変わらなそう




こういう感覚が、じわじわ積もっていくところだと思っています。
全部を変えようとすると苦しくなるので、私がやっていたのは「時間の一部だけでも、自分の将来に回す」ことでした。
- 会社の中でできる範囲で、資料作成やマニュアルづくりなど、自分のスキルになりそうな仕事を少しだけ混ぜる
- 暇な時間に、これまでの業務内容や「まだマシな仕事/本当にしんどい仕事」をノートに書き出して、自分の棚卸しをしておく
- 通勤や隙間時間を使って、興味のある分野の本や音声コンテンツを少しずつ取り入れてみる
同じ暇な時間でも、「全部ただ流してしまう」のと「少しだけ将来に投資する」のでは、数か月後の感覚が変わってきます。




ぬるま湯ポジションのリアルやモヤモヤについては、実体験をもとに別の記事でも書いています。
大企業のぬるま湯ポジションで感じていたこと ↓
周りは忙しいのに自分だけ暇なときの居心地の悪さ↓
つまらない仕事とどう向かうか?コラム風記事↓
こうした記事も参考にしながら、「完全に流される」のではなく、「少しだけでも自分のために使った」と言える時間を増やしていけると、同じ立場でも感じ方が少し変わってきます。
朝活・副業・「会社に依存しない習慣」で、自分の軸を外側に出しておく
会社がしんどいときほど、
「会社の外側に、自分の軸をどれだけ持てているか」
で、心の余裕が大きく変わります。
- 朝活で、自分のための時間を毎日30分だけでも確保する
- 副業やブログで、会社以外の収入のタネを育てる
- 読書や音声学習で、「考え方」の引き出しを増やしておく
こういう習慣は、いきなり収入にならなくても、会社に人生を丸投げしていない感覚を作ってくれます。




会社から、人生を取り戻すための自分の軸の作り方については以下の記事にまとめています。「会社の奴隷感」に疲弊している人はぜひ参考にしてみてください。
学び直し・リスキリングを「将来の選択肢」として持っておく
「今の会社にいてもスキルが育たない」と感じているなら、学び直し・リスキリングをどこかのタイミングで挟むことも、現実的な選択肢のひとつです。




といっても、いきなり会社を辞めてフルタイムで学び直し…となると、
家族やお金のことを考えるとハードルが高いですよね。
なので、ステップとしてはこんなイメージの方が現実的だと思います。
- まずはオンライン講座・通信講座・書籍など、仕事を続けながらでも触れられるものから試す
- 「もう少し本格的にやりたい」と思えたら、スクールや資格取得など、投資額と負荷を少し上げてみる
- それでも「やっぱり今の職場では限界だ」と感じたら、職業訓練や本格的な学び直しも選択肢に入れていく
こんなふうに、
いきなり人生をひっくり返すのではなく、少しずつ“次の場所でも使えるスキル”を増やしていく
くらいの感覚でいいと思います。職業訓練は、その中でも
- しっかり時間を取って学び直したい人
- 一度リセットして、働き方ごと変えたい人
に向いた「少し腰を据えた選択肢」です。




実際に私が職業訓練を使って人生が変わったときの話は、以下の記事にまとめています。
ただ、ここでいきなり「はい、じゃあ今すぐ職業訓練に行きましょう」とは言いません。今の会社に在籍しながらできる学び直しを少しずつ重ねていく中で、「それでもこの会社に未来が見えないなら、こういうルートもある」という中長期の選択肢としてご紹介しています。
選択肢②静かに転職活動を始めておく
2つ目の選択肢は、「今すぐ辞める」ではなく、「静かに転職活動を始めておく」というものです。
在職中の転職活動というと、例えばこのような不安もあると思います。
「会社にバレるのが怖い」
「エージェントに押し切られそう」
「面接に落ちたらメンタル折れそう」
ただ、ここでのポイントは、「転職=即退職」ではなく、保険としての出口を持っておくイメージで動くことです。
転職=即退職じゃない。“保険としての出口”を持つだけでもいい
私が最初に転職サイトやエージェントを使ったときは、「いますぐ辞めたい」というよりも、
「もし本当に限界が来たとき、どんな選択肢があるのかだけ知っておきたい」
という感覚が近かったです。
- 自分と同じ年齢・スキルの人が、どんな求人でどれくらいの年収なのか
- 残業少なめ・リモート可・副業OKの会社が実際どれくらいあるのか
- 今の自分の職務経歴が、他社から見てどう映るのか
まぁ細かい点は色々とありますが、実際に自分は今の会社以外でちゃんと働けるのか?という点は社会人であればまず気になる点でしょう。こういった情報は、会社の中で悩んでいるだけでは絶対に手に入らないものです。
「いつ辞めるか?」を決めるのは、情報を集めてからでも遅くありません。
在職中にやっておきたい準備は3つだけ
ガチガチに転職モードになる前に、在職中でも無理なくできる準備はこの3つです。
- 自分の棚卸し(できること・やりたくないことを書き出す)
- 転職サイト・口コミサイトで、世の中の求人イメージをつかむ
- エージェントを1〜2社だけ使って「市場価値の仮査定」を聞いてみる
特に ①の棚卸しは、
- 今の会社で続ける場合の活かし方
- 転職する場合にアピールできるポイント
このどちらにも効くので、損はありません。
一方で、今の仕事に対して報われない感覚が強いと、棚卸しをしている途中で気持ちが重くなることもあります。
- 「こんなにやってきたつもりなのに評価されていない」
- 「ここまで頑張っても、この会社ではこれ以上変わらなさそう」




そんなふうに感じているときの気持ちと、現実面の整理については、
別の記事でかなり具体的に書いています。
エージェントとの距離感は“情報源の一つ”くらいがちょうどいい
エージェントを使うときに、一番大事なのは “依存しすぎないこと” だと思っています。
- 送ってくる求人を全部真に受けない
- 「転職しない」という選択肢も自分で持っておく
- 「今すぐは動かないけど、情報だけ欲しい」というスタンスを最初に伝える
こうしておけば、
「情報だけもらって、しばらく様子を見る」
「よさそうな求人が出てきたときだけ、少し本気モードになる」
といった、自分主導のペース配分がしやすくなりますよ。
選択肢③一度立ち止まって体と心を守る
3つ目の選択肢は「一回立ち止まって、体と心を守る」というものです。
ここまで読んでいて、
- 朝起きるのが本気でつらい
- 出社前にお腹が痛くなる・涙が出る
- 休みの日もずっと会社のことを考えてしまう
こういう状態が続いているなら、「どう働くか」を考える前に、一度立ち止って体と心を守る選択肢もテーブルに乗せていいと思っています。このときに使える手段は、ざっくり次のようなものです。
- 心療内科・メンタルクリニックで相談してみる
- 会社の産業医・保健師・人事の窓口に、正直な状態を伝えてみる
- 会社の休職制度や時短勤務の制度を、一度きちんと確認しておく
- 会社の外側にある、公的な相談窓口(メンタル・労働相談)を使ってみる
どれも、特別な人だけのものではありません。




本当は、限界まで我慢してから使うものではなく、「これ以上ひどくしたくない」と感じたタイミングで早めに使ったほうがいい仕組みです。
「どこに相談していいか分からない」「いきなり病院はハードルが高い」という場合は、まずは公的な情報サイトや相談窓口をのぞいてみるのもありです。
こういった窓口は、無料で利用できるものも多く、「今すぐどうにかしてほしい」という段階でなくても利用できます。
一度立ち止まることは、逃げでも甘えでもありません。
- 限界を越える前にブレーキを踏む
- 休む・整える
- それから次の一歩を考える




この順番にするほうが、長い目で見れば自分と家族を守ることにつながると、私は思っています。
会社に振り回されずに働き方を選ぶために、いま決めておきたいこと



ここまで見てきた
「今の会社に残りながら逃げ道をつくる」
「静かに転職活動を進める」
「一度立ち止まって体と心を守る」
という三つの選択肢は、どれか一つだけが正解という話ではありません。
大事なのは、
- そのときの自分の状態と
- 守りたいものと
- 許容できるリスク
を踏まえたうえで、「自分で選んだ」と思えることだと感じています。
ここでは、会社に振り回されずに働き方を選ぶために、「いま決めておきたいことと、今日からでもできる小さな一歩」をまとめておきます。
- 「これ以上は無理」と「ここまでは許容」を言葉にしておく
- 迷ったときは「何を失いたくないか」から考える
- 今日からできる小さな一歩はこの三つだけ




順番に解説します。
「これ以上は無理」と「ここまでは許容」を言葉にしておく
まず決めておきたいのは、
- これ以上続くなら、さすがに無理だと思うライン
- 条件次第では、まだしばらくは様子を見てもいいライン
を、自分の言葉で持っておくことです。
ここまでに出てきた
- お金の軸
- 体とメンタルの軸
- キャリアの軸
を思い出しながら、以下のような形で、ざっくりでいいので「線」を引いておきます。
- 残業がこれ以上続いたらアウト
- この症状が続いたら受診・休職を考える
- この条件まで下がるなら転職も視野に入れる




紙やスマホメモに一度書き出しておくと、その場の勢いではなく、あらかじめ決めた自分のものさしに沿って判断しやすくなります。
迷ったときは「何を失いたくないか」から考える
働き方を変えるときは、どうしても「年収が上がるか下がるか」や「休みが増えるか減るか」といった「条件」の比較に意識が向きがちです。
もちろん大事なポイントですが、迷ったときは、「自分は何をいちばん失いたくないのか」から考えてみると、少し整理しやすくなります。
たとえば、
- これ以上メンタルを削られるのだけは避けたいのか
- 家族との時間をこれ以上削りたくないのか
- 将来の選択肢が完全に閉じることだけは避けたいのか
人によって、守りたいものは少しずつ違います。
年収や肩書きだけで比べるのではなく、
- 自分が本当に守りたいもの
- それを守るためなら、どこまでなら妥協できるか
このセットで見ていくと、「正解探し」から少し離れて、納得感ベースで選びやすくなります。
こうやって何を失いたくないかを一度整理しておくと、目先の条件だけで動くよりも、自分の生き方とズレにくい選択がしやすくなります。
私自身も、いわゆる普通の人生のレールから外れて不安だらけだった時期がありました。




そこからどう考えて、どう動いてきたのかは、体験談ベースで別の記事にまとめています。
今日からできる小さな一歩はこの三つだけ
働き方を変えるといっても、いきなり退職したり、大きな決断をする必要はありません。
最初の一歩は、会社の外側にも「自分の軸や選択肢が少しずつ増えていく行動」にしておくと、あとで効いてきます。
ここでは、会社への依存度をほんの少し下げるために、今日からでもできる小さな一歩を三つだけ挙げておきます。
- 転職サイトや求人検索で「自分が行けそうな場所」を一件だけ確認してみる
- 会社の外でも使えるスキルに、1日15分だけ時間を回してみる
- 会社以外の「自分の場所」や習慣を一つだけつくる
転職サイトや求人検索で「自分が行けそうな場所」を一件だけ確認してみる
本格的な転職活動まではしなくてもいいので、
- 転職サイトで、自分の職種や年齢で検索してみる
- 気になった求人を一件だけブックマークしておく
このくらいの温度感で十分です。
「今の会社しかない」ではなく、少なくとも「これくらいなら他にも選択肢がある」と一度確認しておくと、明日からのしんどさの感じ方が少し変わります。
会社の外でも使えるスキルに、1日15分だけ時間を回してみる
いまの仕事に直結しなくても構わないので、
- 気になっていた分野の本や音声コンテンツを、通勤時間に15分だけ聞いてみる
- パソコン作業が好きなら、Excel・デザイン・ブログ・プログラミングなどを少し触ってみる
- 副業やフリーランスの働き方について書いているブログや動画を、1本だけ見てみる
といった形で、会社の外でも使えそうなスキルや知識に、少しだけ時間を投資してみます。
「毎日1時間やるぞ」と力むより、1日15分を細く長く続けるほうが、挫折を防ぎ、習慣化しやすく結果的に量も多くなりますよ。
会社以外の「自分の場所」や習慣を一つだけつくる
収入やスキルだけでなく、メンタル面でも「会社だけが世界のすべてになっている」と、どうしても振り回されやすくなります。そこで「会社の外側の習慣」や「自分の場所」が一つでもあると、仕事で何かあっても、全部を会社に支配されにくくなります。
例えばこんな感じです。
- X(旧Twitter)やブログで、自分の考えを少しずつ発信してみる
- 趣味・勉強・副業など、会社とは関係ないテーマでゆるくつながれる場に顔を出してみる
- 週に一回だけ、朝や夜のどこかを「自分のことを考える時間」と決めてみる
会社に振り回されすぎないための習慣づくりについては、日々の過ごし方にフォーカスした記事でも詳しく書いています。
どれも、今日からできるし、明日やめても構いません。
それでも、まったく何もしないままモヤモヤを抱え続けるよりは、少しでも「会社の外に、自分から一歩出た」と言える事実が積み上がっていきます。
おわりに:今の会社がゴールじゃなくてもいい



ここまで読んでくださった時点で、きっとあなたはもう、「今の会社がしんどい」という感覚をごまかさずに見つめているはずです。
- このまま定年までここで働く未来が、どうしてもイメージできない
- かといって、今すぐ会社を辞める勇気も現実的なプランもない
- その間でずっと揺れていて、疲れてしまっている
そんな状態が続くと、「決められない自分」が悪いように思えてくるかもしれません。
でも本当は、今の会社をゴールだと思えなくなったこと自体が、ちゃんとしたサインだと、私は思っています。
この文章の中で、働き方について考えるときのポイントとして、
- お金の軸
- 体とメンタルの軸
- キャリアの軸
そして、
- 今の会社に残りながら逃げ道をつくる
- 静かに転職活動を進める
- 一度立ち止まって体と心を守る
という三つの選択肢を整理してきました。
どれを選ぶにしても、大事なのは、会社の都合だけで決まる人生ではなく「自分で選んだ」と思える人生に、少しずつ寄せていくことだと思っています。
今はまだ、動けるほどエネルギーがないかもしれません。
それでも、
- 自分なりの「ここから先は無理」というラインを決める
- 守りたいものと、妥協してもいいところを一度整理する
- 会社の外側に、小さな一歩だけでも出てみる
このあたりから始めていけば、少しずつ「会社に振り回される側」から、「自分で選んでいく側」に立ち位置を動かしていけます。
今の会社がゴールじゃなくても、人生はちゃんと続きます。
むしろ、「ここがゴールじゃないかもしれない」と気づけたところから、ようやく自分の軸で働き方を選ぶスタートラインに立てるのかもしれません。
この先も、しんどさを抱えたまま一人で我慢し続けるのではなく、ときどき立ち止まりながら、自分のペースで働き方を選び直していけるようにその一歩のヒントとして、この文章のどこかが少しでも役に立てばうれしいです。
よくある質問Q&A
- 今の会社がしんどいとき、まず何から始めるのがいいですか?
-
いきなり「辞めるかどうか」を決めなくて大丈夫です。
この文章で書いてきた- お金の軸
- 体とメンタルの軸
- キャリアの軸
の三つをざっくり整理して、「今の状態はどこが一番危ないか」を一度言葉にしてみるのがおすすめです。
そのうえで、「残りながら逃げ道をつくる」「転職準備を進める」「一度立ち止まる」のどれが現実的かを考えると、少し見え方が変わります。 - 今の会社に残るか、転職するか決めきれません。
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どちらが正解かは、人によって違います。
迷ったときは、- 自分がいちばん失いたくないものは何か
- それを守るためなら、どこまでなら妥協できるか
この二つを書き出してみると、判断の軸がはっきりします。
どうしても決められないなら、「まずは在職のまま三か月だけ準備を進めてみる」という保留しながら動く選択もありです。 - 転職する予定はまだないのですが、今からやっておいたほうがいいことはありますか?
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あります。むしろ今のうちのほうが動きやすいです。
- これまでの業務内容や成果をざっくり棚卸ししておく
- 転職サイトで「自分が行けそうな求人」を一件だけ確認しておく
- 会社の外でも使えそうなスキルや習慣に、1日15分だけ時間を使ってみる
このくらいでも、少しずつ「今の会社がすべて」という感覚から離れやすくなります。




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